【制約理論で解決!】ボトルネックを見つけて最速で業務改善する方法
📌この記事の結論
ビジネスにおけるボトルネックとは、業務プロセス全体の流れを妨げ、生産性を低下させる 「詰まり」のことです。 制約条件理論(TOC)を使えば、このボトル ネックを特定し、効果的に解消できます。
重要なポイントは、全体を少しずつ改善するよりも、ボトルネックを集中的に解消する方が、 経営効果は圧倒的に高くなります。
昨今、「働き方改革」への対応やITの積極的な活用など、多くの会社で「業務改善」や「生産性の向上」を経営課題のテーマとして意識し、取り組んでいる状況かと思います。とはいえ、実際に社内で業務改善を進めるといっても、業務改善の具体的な手法やアプローチがわからないといった悩みも多いのではないでしょうか。今回は、業務改善のアイデア手法の一つとして「制約理論(TOC)」にもとづく業務改善方法をご紹介いたします。
- 0.1.1. 📌この記事の結論
- 1. 制約理論とは
- 2. 基本的な考え方
- 2.1. ボトルネックが引き起こす3つの悪影響
- 2.1.1. 業務全体のスピードダウン
- 2.1.2. リソースの無駄遣い
- 2.1.3. コストの増大
- 2.2. ボトルネックは改善のチャンスでもある
- 2.3. 制約理論のゴール・目的
- 3. 制約理論を使った業務改善の進め方
- 3.1. (1)業務全体のボトルネックを見つける
- 3.1.1. 一般的なボトルネックの具体例
- 3.2. (2)ボトルネックを最大限に活用する
- 3.3. (3)ボトルネックに全プロセスを合わせる
- 3.4. (4)ボトルネックの能力を高める
- 3.5. (5)ボトルネックが解消されたら、次のボトルネックを探す
- 4. まとめ
制約理論とは
制約理論は、業務全体の最適化を行い、生産性を向上するための考え方です。「ザ・ゴール」の著者であるエリヤフ・ゴールドラット博士が提唱した理論です。制約理論は、「Theory of Constraints(TOC)」の日本語訳となります。
また制約理論は、生産性向上だけでなく、経営マネジメントにも活用できる考えでもあります。組織全体を一つの仕組みととらえ、制約条件となっている問題をシンプルに解決するための経営哲学としても活用されています。
基本的な考え方
制約理論では、「業務全体やシステム全体のパフォーマンスが制約条件に依存していると考え、制約条件を継続的に改善することで、全体のパフォーマンスが向上する」という考えを基本としています。
ここでいう「制約条件」が、いわゆるボトルネック(弱点)のことです。ビジネスにおけるボトルネックとは、業務プロセス全体の流れを妨げ、生産性やスピードを低下させてしまう「詰まり」のことです。瓶の首(bottleneck)が胴体よりも細く、中身がスムーズに流れ出ないことから名付けられました。
ビジネスでも同じように、一箇所に問題があるだけで、全体の成果が大きく制限されてしまいます。つまり、ボトルネックが業務全体のパフォーマンスを左右し、業務全体の流れを止めている制約条件となります。
ボトルネックが引き起こす3つの悪影響
業務全体のスピードダウン
特定の工程、部署、あるいは特定の担当者がボトルネックになると、その部分が処理できる量や速度が、組織全体の限界になってしまいます。
たとえば、営業が月100件受注できても、製造が月50件しか対応できなければ、会社全体の売上は50件分に制限されてしまいます。
リソースの無駄遣い
一つの工程が滞ると、前後の工程が待機状態に陥ります。人やシステムが「手待ち」の状態になり、本来の能力を発揮できません。
たとえば、承認待ちで営業担当が次の行動に移れず、貴重な営業時間を浪費してしまっている。
コストの増大
処理に時間がかかればかかるほど、人件費や在庫コスト、機会損失が膨らみます。また、納期遅延によって顧客の信頼を失うリスクも高まります。
たとえば、受注から納品まで時間がかかりすぎて、顧客が競合他社に流れてしまう。
ボトルネックは改善のチャンスでもある
一方で、ボトルネックを特定できれば、どこに経営資源を投入すべきかが明確になります。つまり、最も効果的な改善ポイントが見えるということです。
そのため、全体を少しずつ改善するよりも、ボトルネックを集中的に解消する方が、経営効果は圧倒的に高くなります。業務全体におけるボトルネックを特定し、都度、解消することで、全体最適を図り、全体のパフォーマンスを向上につなげることができます。
制約理論のゴール・目的
制約理論が目指すべきゴールは、「スループットの向上」です。スループットは「時間あたりの処理能力や出来高」をいいます。業務改善においては作業の処理能力が該当します。一方、経営マネジメントの観点では「時間あたりの利益」が最も重要な指標となります。
制約理論を使った業務改善の進め方
制約理論では「集中の5段階」プロセスで継続的な改善を目指します。制約理論は、製造業の製造工程などある程度、定型的な作業工程が決まっている業務に対して有効な改善アプローチです。
(1)業務全体のボトルネックを見つける
ボトルネックは、業務全体を通して「ムリ、ムラ、ムダ」が発生する箇所や機械装置の生産量など物理的な制約条件が発生している箇所で発見されることが多い。また、外部的な要因としては、顧客の需要や会社の方針(ノルマ)に対応できない場合にボトルネックとして顕在化することが多い。
通常は工場の機会装置など定量的に処理能力がわかる場合は、ボトルネックを把握しやすいですが、バックオフィスなどの業務の場合は、定量的な業務量の把握が難しい場合があります。
その場合、簡単な見つけ方としては、「今の業務量が2倍になった場合に最初に悲鳴が上がるのはどこか」を考えてみることです。
一般的なボトルネックの具体例
- 人手不足によるキャパシティオーバー。特定の工程に必要な人員が足りず、処理しきれない業務が溜まっていく状態です。繁忙期に顕著に表れます。
- 特定の担当者しかできない業務があり、その人が休暇や退職で不在になると、業務がストップしてしまいます。業務が属人化し、ノウハウがブラックボックス化している状態です。
- 紙の書類やFAX、手作業での転記など、アナログな作業が残っており、デジタル化された他の工程と比べて著しく処理速度が遅く非効率な状態。
- 承認待ち・情報待ちによる停滞。上司の決裁や他部署からの返答を待つ時間が長く、その間、担当者が次の作業に進めない状態が頻発しています。
- コミュニケーション不足による手戻り。必要な情報が適切なタイミングで共有されず、認識のズレや確認漏れが発生し、やり直しや遅延につながっています。
(2)ボトルネックを最大限に活用する
ボトルネックとなっている作業箇所や見つかった場合、ボトルネックの処理能力(スループット)が業務全体の処理能力を決定してしまっている可能性があります。そのためボトルネックのパフォーマンスが落ちるとシステム全体のパフォーマンスの低下に直結することが予想されます。したがって、ボトルネックとなっている作業箇所の処理能力をまずは最大限に活用することが重要となります。
(3)ボトルネックに全プロセスを合わせる
ボトルネックの処理能力が全体のパフォーマンスを決定することから、ボトルネックよりも処理能力が高い作業箇所は、手待ち時間やすぐに必要のない成果物(アウトプット)を先行して作成している可能性が高いです。第3のステップは、ボトルネックの処理能力に業務全体の処理能力を合わせる段階となります。一見、処理能力の低い方に合わせるというのは非効率的な考えに思えますが、全体最適で見た場合には、無駄なコストを避けれるため、正しい対応となります。短納期と少ない在庫を同時に実現する「ドラム・バッファー・ロープ(DBR)」という考え方として有名です。
(4)ボトルネックの能力を高める
第3のステップまででボトルネックの処理能力にあわせて、業務全体の処理能力を低下させ全体最適化がされています。この段階で本質的な原因であるボトルネックの処理能力を最大化することを実施します。ボトルネックの処理能力が向上したら、向上した分だけ、全体の処理能力もあわせて向上させます。結果として業務全体のパフォーマンスがボトムアップする形で改善されることとなります。
(5)ボトルネックが解消されたら、次のボトルネックを探す
ボトルネックが解消されたたら、業務改善が終了するわけではありません。業務全体の処理能力が向上すると、あらたに別箇所でボトルネックが発生するはずである。次のボトルネックを探したら、第1ステップに戻って、あらたな改善のステップを繰り返します。
この改善ステップを継続的に繰り返すことで、業務全体のパフォーマンスが向上し続けることができます。
まとめ
今回は「制約理論(TOC」による業務改善方法を紹介しました。
業務全体の流れを把握し、流れの中でいちばんのボトルネック(弱点)を見つけ、速やかに改善することが、スループット(利益)を向上させるポイントとなります。
まずは、社内でメンバーを集め、業務全体を業務プロセスとして可視化し、どこに最大のボトルネックがあるか議論してみましょう。改善のきっかけを見つけることが最初のスタートです。業務改善にあたって外部のメンバーの支援が必要な場合は、弊社にご相談ください。
貴社の業務改革・業務改善をご支援します
「業務の可視化」、「業務の効率化」、「業務の自動化」、「業務アウトソーシング」など、お気軽にご相談ください。





